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先日、社内SNS(Nexti)の取材記事を執筆頂いたご縁で知り合った沢渡あまねさんの新著「職場の問題地図」(技術評論社)、2時間くらいで読み切れるコンパクトな本ですが、残業だらけの職場、休めない職場の問題点と改善ポイントについてわかりやすく解説されています。 まず1丁目「手戻りが多い」では、手戻りを防ぐカギとして成果物のイメージ合わせと報連相設計の重要性について解説するところからスタート。 2丁目「上司・部下の意識がズレてる」 1. そもそも、その仕事の目的はなにか? ここで示された5つの観点での確認は、ちょっとした1枚資料を作成するタスクからお客様向け提案書を作成するような大きなタスクまで同じように適用できる「仕事の受け方」のスキルです。 仕事の生産性を上げようとするとき、成果物そのものを作るために求められるスキルにばかり目が行きがちですが、こうした「仕事の受け方」スキルも同じくらい重要な要素です。 p.50 かつて、私の元に派遣社員の女性がいました。小さなお子さんを持つ、お母さんです。彼女は、私が仕事の指示をすると、すぐ5つの要素で私に確認してくれていました。 僕のチームにも子育てをしながら限られた時間で仕事をしている女性社員が2人いますが、時間の制約が大きい分、こうした段取り力が高いなぁと感心します。 逆に生産性が低い社員は仕事を受ける時点からこうした確認を怠っていることで無駄な手戻りが多いケースが多いように感じます。ちょっとした心がけをするだけで手戻りを防止して全体の生産性を高める工夫、大事なスキルです。 3丁目「報連相できてない」部下の伝えるスキルが低い p.58 報連相するときのポイントは、ほかにもあります。4つにまとめてみました。 報連相は新入社員研修で教わる基本だと思いますが、もう一歩踏み込んで「どう報連相するか」が重要。上司に声をかける時、ここで挙げられている4つの視点で端的に話ができるかどうかで相手の印象は大きく変わります。 ありがちなのが、ふらっと上司の机まで来て「ちょっといいですか?○○の件なんですが」から始まって、本人が気になっている話を1から話し始めるケース。 上司も忙しい中で、どれくらいの時間を拘束されるのかもわからぬまま、いったい相談なのか単なる報告なのかもわからず話を聞くのは苦痛です。 3丁目「報連相できてない」上司の受け止めるスキルが低い p.66 復唱した後にひとこと、感情を示す言葉を付け加えましょう。私は「リ」+感情ワードと呼んでいます。「リ」はリピート(復唱する)のリ。それに自分の感情や相手の感情を示すひとことを添えてあげるのです。 本書では部下の立場から役立つTipsだけでなく、上司として気を付けるべきTipsについても多数紹介されています。僕が大事だと感じているのが、上述したような「相手の感情」に配慮する姿勢。 特に忙しいときほど、ファクトとロジックに偏りがちで、相手の気持ちに目を向けて共感を示すことを忘れがちです。これは上司から部下に対する会話だけでなく、対人コミュニケーション全般にあてはまる大事な心がけだと思います。 ほかにも、無駄な会議が多い、仕事の所要時間を見積もれない、属人化、過剰サービス、「何を」「どこまでやればいいのか」が曖昧、仕事をしない人がいる、だれが何をやっているのかわからないといった、どこかで聞いたことがあるような職場の課題について1つずつメスが入っていきます。 本書で取り上げられているのは、1つ1つはちょっとした工夫ですが、職場の1人ひとりがこうしたスキルを身に着けて実践していくことで職場全体の生産性は大きく向上していくことでしょう。 チームのメンバー、リーダー双方が理解して取り組みたい改善の工夫が詰まったこの本、残業だらけ・休めない職場で悩んでいる方にぜひ読んで欲しい1冊です。
by takekurakenya
| 2016-10-30 17:16
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