検索
Sponsors
Visitors
カテゴリ
Profile いま思うこと ソーシャルメディア 夢の注文住宅 たび 御朱印めぐり 親バカ ボードゲーム/カードゲーム 庭いじり 麺打ちなど ふるさと納税 ホームバー お買い物 近所に魚屋がある幸せ 出会い テクノロジー UCLA MBAの魅力 2005年春学期 2005年冬学期 2004年秋学期 AMR (Field study) ロサンゼルス生活 クォーター収集 公園 好きなお店 Golf Tennis Ski タグ
記事ランキング
以前の記事
2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 フォロー中のブログ
その他のジャンル
|
不振事業や会社の再建支援を専門とするターンアラウンドスペシャリストである三枝匡さんの「V字回復の経営」(日本経済新聞社)を読みました。三枝さんは今は東証一部企業の社長としてミスミの急成長を牽引していますが、スタンフォードMBA、ボストンコンサルティング出身で企業再建のスペシャリストというバックグランドは、カネボウやダイエー等を再建した産業再生機構でCOOを務めた冨山和彦さんとも重なります。 この本、第一印象は分厚くて読むのが大変そう・・・というものでしたが、内容は事実に基づいた小説(ケーススタディ)形式をとっているので、想像以上に読みやすく一気に読了。ストーリーの大半は実際に三枝さんが手がけた複数の企業再建で実際に直面した事実ベースで書かれているためドキュメンタリーのようなリアリティがあります。また、物語の展開とあわせて随所に「不振事業の症状50」と「改革を成功へ導くための要諦50」が埋め込まれており、頭の整理にもなります。 大企業は勢いのあるうちは社内の各所に点在する問題もそれほど顕在化せずに社内の富の再分配によってポジティブなモーメンタムを維持できます。しかし、景気が大きな後退局面に入り、市場が成熟し、競争が激化し始めると、その規模の大きさゆえにその変化に対応できないまま企業として衰退期に入っていくケースは多々あります。少し経営の舵取りを間違えれば明日は我が身だと思いながら、人ごとではない気分で本書を読み進めました。 ベンチャー企業の経営者と話していると、そのスピード感や社員のモチベーションの高さに大きな危機感を感じることが多いのですが、逆にベンチャー企業からみて大企業が羨ましいと思われることの1つが「採用」です。特に、新卒採用においては、大企業がそのブランドイメージで「優秀」と言われる学生層をごっそり大量に採用するため、ベンチャーでの新卒採用には苦労がつきまといます。では、大企業では採用した「優秀」な学生をどこまで有効に活用できているでしょうか? 中小企業やベンチャー企業であればすでに社長になっているかもしれない若い優秀な人材が、大企業で情熱をぶつける対象を見出せず、夜になって不満を持て余す。それは個人にとっても、会社にとっても、国家にとっても、不幸なことだった。(p.28) 一方で、若手社員を中心に経営に対して不満を持っていたとして、いざ傾き始めた大企業の中で彼らがどこまで一人称で改革に挑戦しうるでしょうか?残念ながら、多くの社員は長い時間をかけて知らずのうちに「茹で蛙」となっていて、いざという時には熱湯から飛び出すほどの感度や力が残っていないのではないでしょうか。皆さんの周りにもこんな「評論家」がいたら要注意です。 大企業の中では、自分で失敗するほどの挑戦をしてこなかった気楽な者ほど、挑戦の辛さを知らずに人のことを気楽だとあげつらうことが多いのである。(p.172) もとは優秀な人材が集まっていたはずなのに、永年に亘る惰性の結果、こうした事態を招いてしまった最大の原因は詰まるところは社員一人ひとりのマインドに帰するべきとは思いますが、それを許容あるいは結果的に助長してきたマネジメント側にも大きな責任があります。 米国企業は、役に立たない社員を辞めさせて、有能な者を外から雇う。それをしない日本企業は、代わりに企業内部で社員を厳しく鍛える手法を持たなければならない。ところが日本の沈滞企業では、上に立つ者が自信を失い、下に遠慮している。それが組織のぬるま湯的ひ弱さを生んでいるのである。(p.199) 社内で「改革」と呼ばれるような活動を推進すると必ず抵抗勢力が出てきます。今までのやり方を否定して新しいことを始める訳ですからこれは当たり前であり、逆に大した反対もなく実施できる活動は実は改革ではなく、ちょっとした改善止まりということでしょう。 要諦40 「危ない橋」の中央では予期せぬ出来事がいろいろ起きる。改革者がもっとも孤独を感じるこの不安定期を乗り切るには、「打つべき手はすべて打った」「自分は正しいことをしている」と腹をくくって自分を支えるしかない。(p.289) 僕はいま「社内コミュニケーション改革」というテーマで、社内SNSの浸透を通じた社員の意識改革に取り組んでいます。企画当初は社内の評論家からは「うまくいくはずがない」という忠告を多数頂戴し、不安のピークだったオープン前夜のドキドキ感は今でも克明に覚えています。チームでは、small start, small winを合言葉にそれぞれが自分の持ち場で最大限の準備をし、僅か3ヶ月で目標どおりオープンにまで漕ぎ着けました。事業再生のための改革活動とは比較にならない小さな改革の取り組みですが、こうした挑戦の積み重ねが社員の「変革マインド」を醸成していくのだと信じています。 読みやすいけれど読み応え十分で経営に対する示唆に富んだこの本、経営に携わる人そして社内の改革活動に携わる人は必読の一冊です。
by takekurakenya
| 2009-06-07 21:07
| いま思うこと
|
ファン申請 |
||