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4/23(金)は(社)企業情報化協会主催のTECS2010で講演してきました。この研究会は、「SI事業者(ソフトウェアハウス)、ユーザ系情報戦略子会社、コンサルティングファームその他情報関連ビジネスに関わる企業の経営者・役員の方」に限定して、「これからのITソリューション・ビジネスを考えていく上で不可欠な情報と、同業種・異業種において共通の問題意識を有する方々との人的ネットワーク構築の場を提供することを目的」とした会とのこと。
その2010年度の第1回会合で講師として呼ばれ、ソーシャルテクノロジーと組織のあり方についてお話してきました。今回のイベントは、参加者の大半がIT業界の社長さん達ということで年齢層は高めでしたが、さすがに経営者として、またIT業界の専門家としての見識の高さゆえ、質疑応答やディスカッションの時間は示唆に富んでいました。 経営者の方々を前にして「講師」の立場でお話しする機会などそうそうないだろうということで、社内SNSが活性化するために最も重要な要素として、あえて「経営トップが覚悟を持って自ら率先して活用すること」を挙げました。反応は上々で、講演後の懇親会でも数人の社長さんから熱心に質問を受けたり、議論したり・・・と盛り上がりました。 一方で、「個人としての一社員が発信する以上、情報としての正確さが保証されておらず、万が一、その情報が事実と異なる場合に例えばお客様に迷惑をかけてしまうリスク等を考えると導入は難しい」とか、「多くの社員が顧客先に常駐して作業している現実ではお客様の情報セキュリティポリシー上、導入は難しい」等、各社の社風や状況によってはなかなか簡単にはいかない側面があることもよくわかりました。 そんな中で、複数の経営者の方々と意識があったのが、最近つくづく感じている「社内SNSをROIで語るな」という考え方。 グローバル競争の激化、ITの進展、景気の低迷等により、ここのところ、どの業界・会社でも経費削減、成果主義、効率化追及・・・で社員は疲れている。経営数値は結果であり、その大前提として社員が活き活きと元気に働くこと、自分の会社を好きでいることが欠かせない。もし、お客様にじかに接する社員が疲れていて、自分の会社に誇りを持てていなかったら、誰がそんな社員からモノやサービスを買うだろうか。いくら素晴らしいナレッジマネジメントの仕組みを作っても、それに魂を吹き込む社員に元気がなかったらただの箱。 これから社内SNS等のソーシャルテクノロジーを社内向けに導入しようと検討している皆さん、必ず避けて通れないのは経営トップを巻き込んで彼らが腹に落ちるまでその意義を説き続け、共有すること、そしてその際はROI的な発想は捨てて、社員満足度の向上、ダイバーシティの推進、グループ経営の実践といった複合的な切り口でその意義を説くことが肝要だと思います。 いつも講演料は辞退していますが、今回は謝礼の代わりに主催者の方が気を利かせて新書「NTTデータ流 ソーシャルテクノロジー」をご購入され、TECS2010の参加メンバーの方々に配布して下さいました。社長さん達は「これは若者向けの大きさの本だなぁ」、「眼鏡を外した方が読みやすいよ」等とつぶやきながら、熱心に読まれていたのが印象的でした。こうした地道な活動を通じて、ソーシャルテクノロジーが当たり前の社内ツールになること、そして少しでも社員がより人間らしく、活き活きと仕事ができるようになっていくことを応援していきたいと思います。
by takekurakenya
| 2010-04-25 22:51
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