今日、歯医者に行ってきました。思い返せば、一昨年の秋、オリエンテーションが終わり、ちょうどこれからMBAの授業開始!というときになって、急に親不知が痛み出して訪ねたのが最初。それは下の歯だったので根が深く、抜くのに1時間近くかかって大変でした。抜いてからも1週間ほど痛みと出血が止まらず、まさに出鼻をくじかれた感じでした。
それから1年ほど何ともなかったのですが、今度は上の親知らずが痛み出しました。結局、これも抜く羽目に。その時に小さな虫歯がいくつか見つかったので年末にかけて一気に治してもらいました。今日はその最終日。
この歯医者さんは大学からずっとアメリカ育ちで、もう20年ちょっととか。今の場所に開業してから11年になるそうです。次回の予約を取るのに2週間先といった具合の人気(?)なので、腕も確かです。

日本では虫歯を削った後の処置は金属を詰めるのが一般的ですが、ここでは
レジンという樹脂を使います。金属は見た目が悪いだけでなく、金属が取れにくくなるように必要以上に歯を削る必要がありました。また、金属が取れたり隙間からまた虫歯になったりすることも。

一方、レジンは見た目には本物の歯と区別がつかないほどの綺麗な仕上がりです。また、局所的に虫歯のみを削って型取りも不要なので1回の治療で完治します。耐久性も金属と同じくらいにまで進歩しているそうです。
実は、このレジンという新素材は日本で開発されたそうですが、なぜか日本ではアメリカに比べて普及していません(特定の奥歯で見ると、米国ではすでに2割を越えているのに、開発した日本ではまだ5%ほど)。その理由は、保険点数の低さと、歯科教育にあるようです。
聞くところでは、レジンは技術がいるうえに、
時間と材料費で1万5千円のコストがかかるとか。しかし、日本の保険では三千円しか請求できません。そのうえ、つい最近までは歯科大学のなかでレジンについて教えていないところもあったようです。また、金属は大量処理などで収益になるので、保険医療では金属を使うことがまだ多いそうです。
「歯を削ることばかりを考えていた日本の歯科は世界から20年遅れている」と言われるそうですが、どうやら問題の根源は技術的なことよりも政治的なところにあるようです。ここでは虫歯1本の治療費が$180なので出費も痛いですが(幸い8割は保険がカバー)、レジンを使った先端的な治療だと思えば納得がいきます。
お喋り好きで人当たりの良いこの歯医者さん、雑談をするのも楽しかったですが、今日でお別れ。友人であれば「また次に会う機会を楽しみしてます!」と言いたいところですが、彼には残り半年のうちに再びお世話になるのは避けたいわけで、ちょっと複雑な気分でした。