冬学期3つ目の授業は、Mgt.240F
Supply Chain Managementです。スタンフォードでOperations ResearchのPh.Dを取得しているGeoffrion教授は、数学モデルを用いたオペレーションの最適化理論を専門としているということもあって、アメリカ人の教授には珍しく(!)非常にオーガナイズされた授業でした。
授業のシラバス(授業の狙いや構成、成績のつけ方等について説明する資料)だけで10ページ、そして各回ごとに更に2~3ページからなるシラバスが別途あります(宿題もたっぷり)。今日は初回の授業で、テーマはSCM概論でしたが、その場で120ページ超のスライドのハンドアウトを渡されてびっくりしました。
更に驚いたのは、そのテンコ盛のスライドを緩急織り交ぜながら3時間できっちり全部説明したこと。これが日本の大学にありがちな一方的な講義だけだと退屈してしまいますが、合間に学生に質問を投げかけて議論したり、ちょっとしたクイズをコールドコールで答えさせたりして飽きさせないのは彼の力量でしょう。
今日のトピックのひとつに、
「数学モデルを使って経営課題に関する判断を最適化する(どこに工場を建設するべきか?どの商品をどの工場でどれだけ作るべきか?等)ことによって、常識や経験からでは解き得ない意外な答えが導き出せることもある」というものがありました。ここで、去年の春学期に履修した"Managerial Model Building"で学んだ線形計画法等のメリットが紹介されました。
面白かったのは、授業の合間にやった1つのクイズ。
【準備】・3枚のカードがあり、うち2枚が外れで1枚が当たりと表示されています。
・初めは3枚とも伏せられています。
・あなたは、まず最初に自分が当たりだと思うカードを1枚選びます(選ぶだけで、まだ伏せたまま)。
・すると、カードの中身を知っている相方が、残りの2枚のうち、外れの方のカードを1枚表にしてくれます。(3枚のうち2枚は外れなので、相方は必ず外れの1枚を選ぶことができます。)
・この時点で、あなたが最初に選んだカードを含めて伏せられているカードは2枚。外れのカード1枚が表になっています。
【問題】残りの2枚を表にする前に、あなたは1つの選択ができます。
(1)最初に選んだカードが正解だと信じてそのままにする。
(2)最初に選んだカードから別の1枚の方に変更する。
あなたならどうしますか?
殆どの人は「外れの1枚を教えたもらったからといっても、初めから2枚は外れだとわかっているのだから、(1)でも(2)でも当たる確率には影響がない」と答えます。これは高学歴の人ほどこう答える傾向があるそうです。
でも確率統計の数式で証明された答えは、「正解する確率は、(2)カードを変更した場合の方が(1)そのままにしておく場合の2倍」という驚く結果に。こんなゲームを通じて、常識による判断が必ずしも正しくないということを教わりました。