
昨日のサプライチェーンマネジメントは、教室を離れて、実際の
DC(Distribution Center)の見学でした。夕方の4時に、LAから30分ほど南のCarsonにある
Herbalife社のDCに現地集合(もちろんみな車を持っている前提)。
今まで授業の中で、工場と消費者とを結ぶDCがいかにSCMのなかで重要な位置づけであるかについて学んできた後だったので、とても興味深く見学することができました。ただ、そこで行われていること自体はテクノロジー活用の観点から言えばそんなに驚くようなものではなく(バーコードによる管理)、
RFID導入も検討中の段階でした。
このHerbalife社は、主にダイエット用のサプリメントや健康食品、シャンプー、ローション等をいわゆる
ネットワークビジネスというスタイルで展開している会社。つまり、ディストリビューターと呼ばれる個人や事業主に商品を直接卸し、彼らを通じて最終消費者に商品を販売しています。したがって、
DCは全世界に2箇所(LAとメンフィス)のみというシンプルなサプライチェーンとなっています。物流の大まかな流れは以下のとおり。
1.各地の工場で生産された商品はLAとメンフィスのどちらかのDCへ配送される。
2.DCではディストリビューターからの注文に基づいて必要な商品を箱詰めし、FedExらを通じて彼らへ送付する。
3.ディストリビューターは自らのネットワークで商品を販売する(Herbalife社はノータッチ)。

この会社では遅くとも注文の翌日には商品を発送するというポリシーで顧客ニーズに応えています。そこで、DCにおいては商品の需要を予測して十分な在庫を準備しつつ(多すぎると在庫コスト増加や使用期限切れに伴うロスのリスクあり)、
顧客からの注文をいかに早く、正確に発送できるかがキーになります。
DCは、在庫を積み上げておく巨大な倉庫エリアと注文に基づいて箱詰めするエリアの2つからなります。主要なオペレーションは以下のとおり。
1.顧客からの注文をプリンターで紙とバーコードに出力。
2.作業員はバーコードを緑の箱の側面にある透明なポケットに入れ、注文一覧を箱の中に入れる。
3.作業員はその緑の箱をベルトコンベアに載せ、箱と一緒に歩きながら、注文一覧の商品をコンベア脇のラックから取り出して1つずつ箱に入れていく。
4.一通り注文の商品が満たされた箱はコンベアに乗って箱詰めポイントへ。
5.緑の箱から商品を段ボール箱に詰め替え、緩衝材を入れて封印。
6.FedExのトラックへ。


こうして、
このDCから日本を含む世界58ヶ国に向けて商品は旅立っていきます。年間で1000億円超の売上を誇るこの会社で、何と
年間で商品の入れ間違いはたった24件とのこと。今年は現時点でまだミスは0件、いいペースで推移しているそうです。
DC長によると、日々改善を繰り返しながらここまでの品質に辿り着いたと言います。ほとんど人手に頼るこうしたオペレーションでここまで正確にできてしまうと、これ以上の工夫の余地は
人件費カットによるコスト低減だけです。
例えば、RFIDをバーコード代わりに全ての商品に添付できれば、より少ない人員でより正確・迅速なオペレーションが期待できるでしょう。ただ、そのためには今まで築いてきた今のやり方を根本的に見直す必要があり、またサプライヤーを巻き込んで一気呵成にオペレーションを変更する必要があります。これは相当なリスクと初期投資を伴うでしょう。RFIDが商品1つ1つのレベルに添付されるようになるまでには、思っていたよりも時間がかかりそうです。