1936年に初版が発売されて以来、世界各国で累計1,500万部以上も読まれているという自己啓発系の本の元祖と言われ
るデール・カーネギー(Dale Carnegie) の「人を動かす」。
タイトルからして何となく他人をコントロールする術みたいなイメージがありましたが、原書は
"How to Win Friends and Influence People"というタイトルでした。
ちなみに、日本語版に比べて、原書のペーパーバックは1/3の価格、そして英語Kindle版は何と100円!英語の勉強兼ねて読んでみるのもいいかもしれません。
内容はいたってシンプル。込められたメッセージは驚くほどに当たり前のようなことですが、わかっていても結構やるのは難しいことも多いです。中でも自分への戒めとして心にとめておこうと思った3つのフレーズをメモ。
p.186 自分が悪いと知ったら、相手にやっつけられる前に自分で自分をやっつけておいたほうが、はるかに愉快ではないか。他人の非難よりも自己批判のほうがよほど気が楽なはずだ。
自分に誤りがあるとわかれば、相手のいうことをさきに自分でいってしまうのだ。そうすれば、相手には何もいうことがなくなる。十中八、九まで、相手は寛大になり、こちらの誤りを許す態度に出るだろう。
本当は自分が悪いと思っていても、つい意固地になって自己を正当化しようとしてしまうことがあります。でも、自分に落ち度があると感じた時点で「自分で自分をやっつける」という意識を持つことが実は問題解決への近道なのだと思います。潔い人になりたい。
p.234 他人にものを頼もうとするときには、まず目を閉じて、相手の立場から物ごとをよく考えてみようではないか。「どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうか」と考えてみるのだ。この方法は面倒にはちがいない。だが、これによって味方がふえ、よりよい結果がたやすく得られる。
これも真実ですが、つい自分の思いが先に出てしまいがち。意識してひと呼吸おいて、相手の立場に想いを寄せてみるだけで、口から出てくる言葉の表現は全く違ったものになります。ちょっとした心がけですが、相手の反応も大きく違ってくるものです。日々のこの積み重ねは、長い時間をかけて人生の質に大きな影響を及ぼすことでしょう。
p.339 百万の富をつくるよりも、やさしい妻と平和で幸福な家庭を築くほうが、男にとっては、はるかに意義のあることだが、家庭円満のために真剣な努力を傾ける男は、百人にひとりもいない。人生でもっとも重大なことを、成行きにまかせている。
8年前に会ったとき、ジャック・ウェルチもこの課題には色々と苦労しているようでした。確かに、もともとは全く別の環境で育ってきた、価値観も異なる他人同士が結婚して家庭を築く訳ですから、「平和で幸福な家庭」は、ただ漫然と生きているだけで手に入るはずがありません。
日々、ちょっとしたことでもすれ違いの種は幾らでもある中で、お互いに譲れるところは譲り、相手を尊重するところは尊重する、でもどうしても譲れないことがあればきちんと向き合って腹を割って話し合う。ポイントは、お互いに歩み寄ること。「
家庭円満のための真剣な努力」は日々続きます。