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「わかりやすく豊富な統計データサイトとして知られる「社会実情データ図録」主宰者が、長年にわたり収集した膨大なデータをもとに、経済から生活、健康、価値観にわたり、巷間に流布する通説の誤りを明らかにし、誤解の発生メカニズムを解き明かす」という「統計データが語る日本人の大きな誤解」(本川裕)を読みました。
統計データはグラフ化するとわかりやすく、一見するとファクトベースで客観的な情報のように見えがちですが、その見せ方ひとつで同じデータでも恣意的に印象を操作できます。例えば、どこかの国で自殺者が右肩上がりで増えていたとして、「これは社会が病んでいる結果の現れだ」というのは簡単ですが、その国では人口全体が自殺者の伸びよりも急速に伸びていて、人口ひとり当たりの自殺者数をグラフにしてみると、実は自殺者は減少傾向にあった、というようなケースはあちこちに潜んでいます。 実際に起こっている本当の姿を見ようとすると、単なる断片的なデータだけではなく、人口ひとりあたりで割ってみる、時系列で過去と比較してみる、他の国と比較してみる、男女や世代で比較してみる等、様々な角度から検証してみると、当初の仮説とは正反対の事実が浮かび上がってくることも。 p.156 日本人は長時間労働なので、仕事以外に楽しみはなく、労働によって疲れ果てており、仕事のストレスから、うつ状態に陥る者も多く、その結果、自殺率も世界一だ、というネガティブな見方があるが、これは誤りである。(中略) 人は無意識のうちに、現実を解釈する際に自分が望んでいる姿を投射しがちと言います。知らずのうちにありきたりな結論ありきでデータを解釈するのはまだ良しとしても、恐ろしいのは意図的に自分が望む方向へ世論を誘導しようとしてデータの見せ方を操作するケース。データそのものを改ざんするのは論外として、アンケートの設問を工夫して特定の回答へ誘導したり、出てきたデータをグラフ化する切り口を工夫して特定の解釈へ繋げたりすることは実際によく行われています。 学生の頃、新聞によって同じ時期の世論調査の結果が大きく違っていたり、投書欄の論調に大きな偏りがあったりするのを感じて、マスコミによる世論操作の事実を計量分析により統計的に実証する論文を書き、卒論にしました。その頃から、巷でもっともらしく語られていることに対して、「本当にそうか?」、「どこまでがファクトでどこからが論評か?」ということを意識する癖をつけてきました。卒論は、以下の提言で終わっています。 われわれ読者は、理念で示した「議会制民主主義国家における有権者としての最低限の義務」である「新聞の限界の認識」を忘れてはならない。多くの情報を取捨選択し、政治的な価値判断を下すのはわれわれ一人一人の責任であり、あくまでもその主体性は読者側になければならないのである。盲目的な「新聞信仰」に陥ることなく、複数のチャネルから自分自身の判断で選択的接触を行う必要性をもっと深刻な問題として認識すべきである。これを怠ると、われわれ個人の価値判断が、そして世論までもが無意識のうちにメディアによって誘導されてしまうという危険性からは決して逃れられない。その行き着く末もまた、民主主義の終焉である。 欧米のビジネススクールに進学する際の共通試験であるGMATではCritical Reasoningというカテゴリの設問がありますが、これはまさにこうした一見正しく感じる議論を提示されて、論理的な飛躍がどこにあるかを探る力を試すものです。日本の教育ではこうした訓練をする機会がほとんどありませんが、ビジネスに限らず、物事の本質を見極める眼を養うことは生きる上での基礎体力と言えます。 本書では、調査で得られたファクトをベースにして、より現実の姿を正しく把握するために多面的なデータを活用して検証を重ねていきます。すると、世の中で何となく信じられてきた「事実」とは全く異なった現実があぶり出されてきます。 p.310 本書が統計データで明らかにした日本社会の本当の姿はこうだ。 悲観論の多い昨今、こんな論評はほとんど聞こえてきませんが、数々の調査結果を紐解いていく限り、マクロで見た今の日本の状態はむしろ上記のような解釈の方がより実態に即しているようにも感じます。実感と違うと感じる方もいらっしゃると思いますが、例えば首都圏に住んでいる人と地方に住んでいる人では実感が大きく異なるでしょう。また、日本にいると「当たり前水準」が非常に高いので気づきにくいですが、世界各国の実態と比べると相対的に日本はまだまだ多くの面で恵まれているというのも事実。 本書では謙虚さを美徳とする日本人の特性や、そこに起因する自虐的とも言える自国に対する自信のなさ、といった側面についてもデータを元に興味深く分析されています。盲信的にマスコミの言うことを鵜呑みにせず、自分の頭で考えるためのヒントが満載の一冊です。
by takekurakenya
| 2014-04-06 13:48
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