
いま、ノーベル賞に最も近い理論物理学者と言われているハーバード大学のリサ・ランドール教授と、日本人初のミッションスペシャリストとしてスペースシャトルに搭乗した若田光一さんの対談本
「異次元は存在する」(NHK出版)を読みました。本書は
NHKのBS番組「未来への提言」の内容を出版化したものです。
「わたしたちの暮らす3次元世界は、人間の目には見えない5次元世界に組み込まれている」-1999年、人類の世界観を覆す概念を発表し、一躍世界の注目を集めたのがリサ・ランドール博士である。
(中略)
「無限に広がっている宇宙空間を見ていると、本当に存在しているものは、わたしたちが見えるところにあるものだけなのだろうか、という疑問を抱くことがあります。ランドール博士の提唱する5次元やさらに高次元世界の存在-深宇宙を眺めていると、そういうものの存在をつくづくと感じる機会がありました」と語る若田さん。
大胆な発想に基づく仮説を立てて、それを数式で表現しようと試みる理論物理学者と、宇宙工学を専攻し実際に宇宙空間を漂った経験を持つ宇宙飛行士。どちらも科学の最先端にありながら、一方は頭の中で理論を組み立て、一方は体感として宇宙を捉えている訳ですが、二人に共通しているのが「宇宙について人間はまだほとんど何も理解できていない」ということ。
ランドール「異次元世界について考えれば考えるほど、現時点でのわたしたちの知識がどれほど限られたものであるかを実感させられます。(中略)宇宙は、わたしたちが考えているよりもはるかに大きく豊かで、変化に富んでいるのではないかと思います。(中略)目の前にある世界だけを見ていては、人は往々にして間違った仮説を立ててしまいます。自分以外の人間を理解する力、自分以外の文化や世界を理解する力が、より深い大きな意味での理解に結びついていくのだと思います。」
科学技術の進歩のおかげで便利な生活を送っている僕らは、いつの間にか科学で説明できるものだけが正しいという考え方を信じ込む一方で、そんな科学というものも「世の中の事象に対してたまたま現時点では最も合理的に説明がつけられる1つのパラダイム」でしかないということを忘れがちです。
若田「印象深い瞬間は2度目のフライトのときでした。初めて国際宇宙ステーションのなかで眠ったのですが、すべての照明を消して寝袋に入って目を閉じたとき、これまで感じたことのない大きな孤独を感じました。大宇宙に自分だけがぽつんと浮かんでいるような感覚を抱いたのです。(中略)あのどこまでも続く大宇宙や、微小重力環境をはじめとする地球とは異なる環境を体験して、宇宙には、計り知れないほどの見えないものが確実に存在するということを肌で感じたように思います。」
彼女の説が正しいとなると、いま僕らが生活している3次元世界は5次元世界に付着している膜のようなものであり、同時に全く別の3次元世界が他にも幾つも存在しうることになります。3次元世界に住んでいる僕らは通常はどこまで行ってもそこからは出られないけれど、重力あるいは未知のエネルギーや物質だけは次元を超えて5次元世界や別に存在しうる3次元世界と行き来ができる。全くSFのような話ですが、地球が丸いように100年後の教科書では小学生でも知っている常識かもしれません。
目に見えるものしか信じない、というスタンスから脱却することで、この世の中も全く違った見方ができるようになります。
世界は数式で表すことができるほど単純なものではないと僕は思っています。
●今は何位かな?