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遅ればせながら、「ウェブ進化論」の梅田さんと脳科学者の茂木さんの対談をベースにした「フューチャリスト宣言」(ちくま新書)を年末に読みました。ウェブベースで広がる未来について常にポジティブなスタンスでいる梅田さんに対して、インターネットという道具を単なるPCの進化形と捉えるのではなく、「人類史上、おそらくは「言語」が獲得されて以来最大の地殻変動」とまで表現する茂木さんが加わることで、議論はヒートアップ。
茂木 ・・・生命原理というのは、近代が追求してきた「管理する」などの機械論的な世界観にはなじまない。生命原理は管理できるものでないし。オープンで自由にしておかないと、生命の輝きは生まれない。結局、インターネットが人類にもたらした新しい事態の背後に隠されたメッセージは、一つの生命原理ということだと思います。命を輝かせるためには、インターネットの偶有性の海にエイヤッと飛び込まないと駄目なんです。(p.165) 最後まで読み終えて、一番印象的だったのが茂木さんのこの言葉。度の過ぎた科学技術の適用や開発の結果として生じる様々な問題や人類の進化の過程そのものが示しているように、人間が意図を持って管理できるものには限りがあり、しょせん自然の摂理に反するものは長続きしません。 そんなマクロな視点に立たずとも、自分自身を振り返ってみても物事はなかなか理屈どおりにはゆかず、自然と行くべきところへ落ち着くものだという感覚を折に触れて持っています。ただ、これは自然に任せて何もしないということではなく、むしろ意識的に自分を「偶有性の海」に放り込み、様々な可能性に触れさせ、様々な人との出会いやつながりを得た末に、それでも直感的に気になる世界に導かれるように惹かれていく、という感じ。 今の就職先を決めるとき、結婚、留学・・・といった人生の節目に当たる大きなイベントほど、あえて意図的に選択肢をいったん限りなくオープンに広げたうえで、自分の内なる声(inner voice)に素直に耳を傾けていく過程で自然と絞り込まれた末に辿り着いた選択だったと言えます。こうした感覚は、恐らく幼少期の頃から無意識的に積み重ねてきたものであり、そうした選択が全てではないにせよ大方は後で振り返って良い選択だったと思えることで、僕が世の中と接する際の基本スタンスとして強化されてきているように思っています。 また、こうしたオープン性に対する感覚は仕事をするうえでも同様に持っています。今までの日本企業は特に金融機関に顕著に見られるとおり、画一的な基準で「粒ぞろい」な人材を多数確保することに重点を置いた採用を続けてきました。大企業では強固な組織のピラミッド構造が出来上がり、管理ありきのマネジメントが主体です。一方で、最近、日本でも人材のダイバーシティというキーワードを耳にする機会が増えてきました。経済のグローバル化が進展し、オープンなインターネットという公共財が急速に整備されてきた中で、日本では未だに日本人中心の雇用、終身雇用といったような人材を固定化する仕組みが幅を利かせています。 今までの日本の雇用やマネジメントのやり方を全否定するつもりは全くありませんが、いま急速に広がりつつある情報のオープン化の流れは必然であり、「生命原理」にも即していると感じています。となると、新しい組織のあり方について考え、試行錯誤をしていくなかで、より人間的で生産性も高まるような仕事のスタイルを模索することが重要だと思います。例えば「社内SNSのような仕掛けが当たり前インフラとして浸透しているかどうか」という問いは、こうした新しい働き方に対する企業の柔軟性を測るためのリトマス試験紙と言えるでしょう。 好きであるということが競争力を生む。自分にはこういう能力があるから、こういうことができるからこういう仕事をやるんだ、そういうふうに考えると、どこかで行き詰まる。好きであることを見つけて、それを競争力につなげていく。そのとき、インターネットは僕らの時代よりうんと便利なもの、つまり能力の増幅器になっているわけだから、それを使って過去の人達を大きく超えていくことができます。(p.184) よく梅田さんが引用する言葉に棋士の羽生さんによる「学習の高速道路と大渋滞」の例え話があります。確かに、インターネットというオープンな情報ネットワークが整備されてくるにつれて、大抵のことは今までとは比較にならないほど効率的に学習することができるようになってきています。ひと昔前であればセミプロレベルに匹敵するようなスキルや知識を持つことはインターネットを駆使することで比較的低コストでより簡単にできるようになりつつあります。そんな時代にプロフェッショナルとして輝くためには、「好きなこと」を徹底的に究めていくことこそが最後のところで大きな差別化となりうるという主張には大いに同意します。 これと同じことをより強烈なメッセージで伝えてくれたのが、アップルCEOのスティーブ・ジョブズのスピーチでした。ちょうど僕がUCLAにてMBAを授与された卒業式の1週間ほど前に、同じカリフォルニアのちょっと北に位置するスタンフォード大学のビジネススクールの卒業式で行われたこのスピーチ、ほぼリアルタイムでネット上に公開され同級生の間でも大きな話題となっていました。その中でも最も心に響いた一節がこれ。(ちなみに、このスピーチはiTunes上で無償公開されており、僕は折に触れてこれで聴いています。) I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle. 仕事には必ず辛く苦しい局面がつきもの。でも、その仕事を心から「好き」「楽しい」と感じることができれば乗り越えることができるでしょう。組織に身を置き、そこそこの評価を与えられるとそこにいる心地良さを感じるものですが、その時点で成長は止まり、むしろ下降線をたどり始めています。現状に安易に甘んじることなく、常に自分にとっての「好き」を追求することを怠らないために、僕はUCLAアンダーソンスクールのオリエンテーションで最初に学んだメッセージ"Pushing yourself out of comfort zone"を時々思い出しては自分自身を振り返るよう心がけています。 それから、地球規模で人々の「努力の成果」とか「善意」を集積できるということが、少しずつ分かってきているんですね。大きな企業に、たとえば一万人従業員がいるとして、みんな一日八時間働くとします。そうすると、一日に「八万人時間」という労働力ができて、それによってその会社というのが成り立つ。ところが、八万人時間というのは、・・・100万人だったら、一人4.8秒。・・・こういう部分にみんなの善意を集めよう、一日五分の世界中の人の善意を集めて世の中を良くしよう、というようなことを考えることができる。五分というのは、インターネットの何かのウェブサイトを見るのに使って消費してしまうくらいの時間だから、それを何か世の中のために使うことができるんだったらと考える人が、世界中に相当たくさんいるはずですね。(p.178) OKWaveや価格.com等で具現化しつつあるWisdom of Crowds(群集の叡知)とか、グリッドコンピューティングの実証実験等を見ていると、インターネットというインフラを活用したアプリケーションの進化形として、こうした一人ひとりのちょっとした善意の積み重ねで大きな効果を生む活動の可能性がまだまだ広がっていくように感じます。最も直接的なものとしてはネット経由での寄付という新しい試みがもっと一般化していくことでしょう。寄付という行為に賛成している人でも、いざ寄付しようとすると直接的な金額どうこうではなく、そこまでの手続きの煩雑さの方がネックになっているケースは少なからずあると思います。ネットで簡単に自分で寄付先を選択して寄付できるようなポータルができれば、個人のちょっとした善意の積み上げで大きな変化を生み出すことができるでしょう。また、寄付という直接的な方法以外にも、何らかの形で社会貢献につながるような新しいウェブアプリケーションの可能性を追求していくことには大きな意義を感じます。 同書を読んでいると、子供の頃に夢に描いていた、でもいつの間にか忘れかけていた「明るい未来」に対するワクワク、ドキドキ感を思い出させてくれます。気の滅入るようなニュースが多い昨今ですが、学生の頃に漠然と抱いていた「テクノロジーがより良い未来を築く」という明快な志を改めて再確認し、自分の今の仕事に対する前向きな力としていきたいと思います。
by takekurakenya
| 2007-12-31 17:25
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