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「ウェブ進化論」をはじめ、梅田望夫さんの著書はほとんど読んでいますが、この3月に発売されたばかりの新著「ウェブ時代 5つの定理」(文藝春秋)を読みました。この本は、(僕がSEとして社会人生活を踏み出した)1994年からシリコンバレーに移り住んだ梅田さんが、様々な場面で触れたビジョナリー達の言葉から特に感銘を受けた名言をまとめて5つのキーワード(定理)として整理し、解説したもの。 その5つの定理とは、1.アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)、2.チーム力(Team Strength)、3.技術者の眼(Technology Mind)、4.グーグリネス(Googliness)、5.大人の流儀(The Style of Maturity)からなります。目次を読んだだけで、僕なりのツボにハマっていて、うーんと唸ってしまう内容でした。以下に、読みながら感じたことをメモ。 1.アントレプレナーシップ (Entrepreneurship) 日本でも「アントレ」と称して最近はよく耳にします。一般的には、起業家精神と訳されており、「脱サラして起業!」といったイメージがありますが、僕の認識では必ずしもアントレ=起業ではないと思っています。その点について本書では、「新しい物事に対して創造意欲に燃え、リスクを引き受けて果敢に挑む姿勢、不確実な未来を楽しむ精神の持ちようなどを言い表すもので、「進取の気性に富む」というと一番ニュアンスが近いかもしれません。」(p.21)と説明されていますが、まさに同感です。 実は、僕がそもそもMBAを志した理由の1つに、このアントレプレナーシップを深めたい、というものがありました。ビジネススクールでは、新規ビジネスをゼロから立ち上げるフェーズに求められるファイナンス、マーケティング、人事管理、テクノロジーマネジメント…といった要素を科目横断的に学ぶ分野のことを「アントレプレナーシップ」と呼んでいます。 留学前、社内でとある新規企画をゼロから手がけて二桁億円のビジネスにまで立ち上げるという経験をしたとき、大企業といえどもリスクを取りつつ(大企業だからこそ取れるリスクもある)大胆かつ機敏に仕掛けることで今までになかったビジネスモデルを確立できるという確信を得ることができました。また、自らをSI企業と定義していたのでは決して創出できなかったビジネスチャンスに気づくことができた。この強烈な成功体験を通じて、特に企業内で起業する(新規ビジネスを立ち上げる)という広義のアントレプレナーシップについて学びたいという思いを強くしました。このアントレ分野で全米でもトップクラスの実績を誇っているUCLA Anderson School of Managementは僕にとってドリームスクールだった訳ですが、そこでアントレを専攻することができたことは今でも大きな財産となっています。 2.チーム力 (Team Strength) 特に僕が従事するSI(System Integration)業界では、チーム力がすべて。例えスーパーマンが一人いたとしても駄目で、チームとして一人ひとりの持ち味をどこまでうまく結集して1つのプロダクトとして作り上げられるかがプロジェクトの成否を決定します。いま携わっているプロジェクトも数百人規模の技術者たちが1つの目標に向かって日々ものづくりに励んでおり、僕はそのプロジェクトのマネジメントチームのひとりとして常に「チームで成果を出すこと」の難しさと醍醐味を感じる毎日です。 本書で印象的だったのが、アマゾン創始者のJeff Bezosによる"The most junior person in the company can win an argument with the most senior person with a fact-based decision."という言葉。僕はいま思い返すと新人だった頃、ずいぶんと生意気なことを言っていましたが、上司とは違った意見でもユニークな着想について筋の通った説明ができた時にチームが受け入れてくれることが何度もありました。恐らく業界や会社によっては義理人情や年功序列による意思決定がまだ幅をきかせているところもあるのでしょうが、その意味ではIT業界はロジカルに物事を判断する文化が根付いているというか、そうしないとちゃんと動くものがつくれない、という特性があるのだと思います。 また、マッキンゼーでのインターンシップを通じて徹底的に叩き込まれたのが、ファクトベース+ロジカルシンキング。実は新しいアイディアですらこうした思考パターンを突き詰めていくなかで生まれてくるということを経験的に知りました。本書でも、「次に何をどう改善すべきかに、幹部の経験ゆえの直感や政治的判断をもってするのでなく、徹底的にデータを集めて分析し、仮説をつくって検証するという思考を基礎に据える-これが結果として顧客思考になる」(p.108)と梅田さんは本章を総括していますが、当たり前のようなことでこれがきちんとできている会社というのは非常に少ないのではと感じています。 3.技術者の眼 (Technology Mind) 僕が小3の時、IBMでSEだった父が当時はまだ珍しかったコンピュータ(NECのPC-6001)を誕生日プレゼントに買ってくれました。それまでは完成品のおもちゃで遊んでいた僕は、自分でプログラムを書くことで自由にゲームを作ることができることに興奮し、すっかり夢中に。まだファミコンも発売されていない1981年のことです。当時の憧れといえば、あのスティーブジョブズが開発したApple IIというパソコン。その記事が載っている雑誌をボロボロになるまで何度も読み返したものです。次第にインタプリタであるBASICでは飽き足らなくなり、小学生のうちにアセンブラの教本を買ってプログラミングまでするほど没頭しました。 そんな僕も大学では法学部に進学し、コンピュータの世界とは次第に離れていきました。それでも、「テクノロジーの力で世界をより良くしたい」という気持ちが忘れられず、文系でも専門性を身に付けることができ、コンピュータで世の中の新しい仕組みを作り出すことができるSEという職種に惹かれて、今の会社からキャリアをスタートさせることを選択したのでした。 新人の頃はあえてソースコードをたくさん書くことができる職場を志願し、実際に数千ステップのプログラムを作りました。大型汎用機で作る、世界でも最もミッションクリティカルといえる日本の銀行の基幹システムですら、プログラミングの世界には無駄がなくて拡張性が高い「美しい」プログラムを書く余地があるのです。「ハッカー集団においては、誰かが書いたコードの良し悪し、プログラミング能力のレベルは完全に見抜かれ、理解されてしまいます。」(p.133)という感覚は、直感的に理解できます。 『「技術者の眼」で世界を凝視し、利用者の潜在的ニーズを「今日から明日につながる解法」で解き、しかも「昨日の世界」で生きている旧世界の人たちが納得できるぎりぎりの線を攻める。それを言葉にして、利害が一致しない既存産業の人々さえも説得できてはじめて、大きなブレークスルーにつながるのです。』(p.144)という梅田さんのことばは、日々の忙しさから忘れがちなアントレプレナーシップ、そしてSI業界を志した時の「テクノロジーでより良い世界をつくる」という初心を改めて思い出させてくれるとともに、今のままではまだまだという戒めとして心に響きました。 4.グーグリネス (Googliness) グーグルらしいマネジメントスタイルとして梅田さんは本書のなかで、「データを徹底的に集めファクトをしっかり把握したうえで行う合理的な思考、情報共有を徹底したうえでみんなの合意によって行う意思決定、質問によって運営することでつくるイノベーションを生む風土――この三つは新しい時代のマネジメントの黄金則だと私は考えています。」(p.210)と紹介しています。このくだりを読んだ時、MBAの同級生で卒業後にグーグルに就職した友人Jがくれたメールを思い出しました。彼女に同社のマネジメントスタイルについて聞いたとき、返ってきたのがこれです。 ”We do have many ways for engineers and people like me to have influence over company strategy. The VP of my group, for example, has weekly 30 minute meeting with our founders where anyone in her team can sign up to present ideas. Also people like me are asked to draft company level goals for our projects. So while there is a feedback loop, I think that I and my teammates are able to influence company direction. It's pretty cool.” 当時でも既に数千人の社員を抱えていたグーグルですが、経営層と社員とが役職を超えて密にオープンなディスカッションを重ねて経営戦略を練るというマネジメントスタイルを定例的に実践しているのが凄いなと思います。 また、本書を読んでいてドキっとしたのが「たとえば、コンピュータのシステムインテグレーションを手がける大企業などでは、(中略)仕事を親会社から子会社へ、さらに下請けへと流す構造になっています。古くからあるコンピュータ産業では、こういうゼネコンのような仕事の仕方が当たり前です。」(p.216)とズバリ指摘されているくだり。全てがそうだとは言いませんが、一定規模以上の大規模なシステム開発ではどうしてもこうした階層構造による分業体制が前提となった仕事の仕方になってしまっているのは事実です。 ただ、一方で同じ会社内で社内SNS(Nexti)を企画・開発し、サービス開始・運用させた際に体感したバーチャルチームによる仕事のやり方は、まさに「一人あたりの生産性が高い状態で、疾走する」(p.216)ものでした。メンバーはみな本業を抱える中で、空き時間を捻出しながら3ヶ月間という短期間で新しい仕組みを作り上げることができたこのプロジェクトでのモチベーションは、「報酬ではなく、自分がやりたいと思うことを思い切りやり、その意味を理解する仲間がきちんと賞賛してくれること」(p.133)にあったと思います。 また、「テクノロジーでできることははっきりと彼らの目には見える。でも現実はそうなっていないことが多い。当然、社会への潜在的な不満足感が生まれますから、自分たちの手を動かして新しいものをつくり出そうとする」(p.134)というマインドは、当時のメンバー間に共通して流れていました(このケースでは、「社会」は「会社」でしたが)。 この経験を通して、僕は今の日本の大企業でもGooglinessを発揮した新しい仕事のやり方に変えていく余地はまだまだあると確信しました。今のマネジメントスタイルでは、それだけのポテンシャルを有した社員がまだ十分に力を発揮し切れていないのではないでしょうか。一朝一夕に解決できる課題ではないですが、少しでも社員一人ひとりがより生き生きと仕事ができる職場づくりに向けてワーキングスタイルを変革し続けていくという意識がとても大切だと思います。 5.大人の流儀 (The Style of Maturity) 最後の定理である「大人の流儀」として、梅田さんは「これからは個の実力でサバイバルしていくことがますます求められる時代」であり、「ウェブ世界においても、「自分は何者で、どういう姿勢で発言をするのか」という、パブリックな場での自己表現、身の処し方に意識的でなければなりません」(p.227)と述べています。僕はこのブログを2004年の10月から書き続けていますが、最初から実名で書いています。また、社内SNSを立ち上げる際にも「匿名を許すか否か」で大議論をした際も一貫して実名制を主張しました。それは、「個の魅力や実力での勝負より、組織の看板で仕事をする傾向」(p.227)がある日本の大企業に身を置くものの一人として、これからは会社や組織や役職ではなく、一人の個人として何を考え、どう行動するかが問われる時代になると直感し、そうしたパラダイムシフトのきっかけづくりを意識しているからです。今のところはこうすることによるメリットの方がデメリットを上回っていると感じており、これからも人々の善意に基づくコミュニケーションについてオプティミスティックなスタンスでいたいと思っています。 同書も終盤に差し掛かり、いよいよまとめに入ろうとしたところで1つビックリしたことがありました。それは、昨年の大晦日に一年を振り返って書いたブログのエントリで僕が引用したスティーブジョブズの2つの言葉が全くそのまま本書の最後で紹介されていたこと。 I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle. これは、2005年の6月に僕がUCLAのビジネススクールを卒業したほんの1週間ほど前に、そのLAからちょっと北上したところに位置するスタンフォード大学のビジネススクールでスティーブ・ジョブズが行ったスピーチの一節です。初めは同級生からメールで教えてもらいテキストベースで読んで感動し、それ以来、今でも通勤鞄には全原稿の原文を印刷したものと、当日のスピーチの音声ファイルを収録したウォークマンを持ち歩いて、仕事で行き詰ったとき等に電車のなかで聞き返しては自分を鼓舞しています。世の中に溢れる無数のテキストがある中で、スティーブ・ジョブズが行った数多くの講演の中で、そして全部で2,000ワードを超える彼のスタンフォードでのスピーチの中で、特に僕の心に響いたフレーズと梅田さんのそれとがピタリと一致していたことにただただ驚くと同時に、何とも言えない親近感を感じました。 そして、同書を通じて最もしびれたのが、サンの共同創業者ビル・ジョイによる"I try to work on things that won't happen unless I do them."という言葉。こんな気概でこれからも仕事を続けていきたいものです!目の前の課題の山に押しつぶされそうになったとき、キャリアに悩んだとき等、折に触れて読み返すことで元気がもらえる言葉が詰まったこの本にはこれからもまだまだお世話になりそうです。
by takekurakenya
| 2008-03-23 03:33
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