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先日読んだ「会社は頭から腐る」が面白かったので、同じ冨山さんの「指一本の執念が勝負を決める」を読んでみました。彼の生い立ちや家庭環境にまで遡りながら、筑駒⇒東大法学部⇒在学中に司法試験合格という「エリートコース」をあえて脱線して大企業に就職せずにボストンコンサルティング⇒起業というルートを選んだ背景や考え方、そしてそうした中で苦労した経験から学んだこと、若手ビジネスパーソンへのメッセージが込められた本です。
会社がどの方向性に舵取りしたらいいかなんて話は、マッキンゼーでも雇えば、当たり前の正しい結論を出してくれます。当たり前の結論は出てくるのですが、戦略的な合理性で組織全体を引っ張っていけるか、あるいはそういう合意が作れるか、多数派がそれで形成できて、みんながそうなるように、シーソーをぱったんと反対側に倒せるかどうか、そこが成否の鍵であり、難しいところなのです。(p.73) ボスコンと言わずにマッキンゼーと言うところがご愛嬌ですが、どこであれ一流と言われる経営コンサルが積み上げてきたフレームワークを用いて、ファクト&ロジックに基づいて分析した結論と言うのは、多少のインサイトの差異はあるとしても戦略的にはかなりの確率で正しいものだと思います。 ただ、どんなに現場インタビューを重ねたところで2~3ヶ月という短期間で得られる結論は、何をすべきか?(What?)にどれだけ合理性があっても、どうやったら現実的にそういう状態にまで持っていけるのか?(How?)のところが弱くなりがち。それは、戦略的に正しいということと、現場の生身の人間からなる組織が正しい方向に動くということは全く別物だからです。
僕はいま幾つかある役割の1つに「ビジネスユニットの中長期的な成長戦略を立てる」というものがありますが、客観的なファクトを集めるほどに合理的な戦略というのは絞られてきます。ただ、戦略とは単なる一時点におけるもっともらしい仮説に過ぎず、実際のビジネスは刻々と諸条件が変化していきます。その変化に合わせて、リーダーとしては様々に動機づけされた人間の集合であるチームのベクトルを合わせ、社内外の組織との利害を調整し、顧客の要求に応えていく。つまり、極めて左脳的な合理性に基づいて戦略という仮説を構築しては微修正を続けながら、一方でその戦略を遂行するためにチームメンバーの一人ひとりの「はたらく動機づけ」を理解したうえで個別にはたらきかけながら一つの方向に収斂させていくという、理性と感性、左脳と右脳、合理と情理といった両面のバランスをいかにうまく取って行くのかがビジネスの肝だとつくづく感じることが多いです。 優秀な司令官というのは、必ず演じる立場とプロデュースする立場、その二つを意識しています。そして、指揮官になる資質のある人は、まだ端役の役者時代にも、「自分がプロデュースしたら、どんな舞台になるだろう」と頭の中でシミュレーションし、もう一つの役割を意識しながら演じているものなのです。(中略)平社員の時代は比較的、駒や役者としての割合が強くて、棋士やプロデューサーの役割が小さいので意識しないかもしれませんが、経営者を目指すなら、そういう視線や考え方を若いうちから自分の中で培っていくことが大切です。(p.163) 振り返ると、僕は新入社員の頃から折に触れて先輩や上司の働きぶりを観察して、もし自分がその立場だったらどう判断し行動するか?というイメトレをしていたように思います。また、いつからか一般社員の頃は課長代理、課長代理の頃は課長といった具合に少なくとも一つ上の役職のつもりで行動しようと心がけていました。そしてビジネススクールに留学中は、それがいきなり経営者の視点でケーススタディーを繰り返していた訳です。今は末端管理職ですが、たまたまビジネスユニット長の戦略参謀的な役割もあるため、経営者の働きぶりや判断を身近に見る機会が多く、こうしたイメトレという意味では非常に良い勉強になっていると感じています。 役職が上がるにつれて権限や経済的報酬は増えますが、それ以上に責任や孤独は指数関数的に増加していくように思います。よく経営者インタビュー等で「社長になってみて初めて社長の責任感、孤独感は副社長時代の比ではないことを痛感した」という趣旨のことを話す人が多いですが、今の僕には社長の責任感、孤独感が一体いかほどのものなのか、想像すらできません。そんなプレッシャーは当然にあるものとして踏まえつつ、冨山さんはあえて経営者ほど素晴らしい仕事はないと言い切ります。 どんな綺麗な女性を横にはべらそうが、どんなにいい車に乗ろうが、経営の過程でみんなの人生が豊かになっていくということを共有して、共感するときの快感と比べたら、そこからは、はるかに底が浅いエクスタシーしか得られません。(中略)人間はみんなで一致団結して、何かを成し遂げたときの達成感、人生を共有している感じというのが、忘れられない生き物なのです。私はそこにこそ、経営者の報酬の本質があるような気がします。 何か嬉しいことがあった時の達成感や満足感は、自分ひとりで味わうよりも一人でも多くの仲間や家族等と分かち合うことで何倍にも増幅されるもの。最近、企業における行き過ぎた能力主義、成果主義を見直す風潮が見られますが(僕の勤務先でも新たに「貢献主義」という価値観が人事考課に導入されるそうです)、生き物としての人間の摂理からしても自然な方向だと思います。 人によって違うでしょうが、多くの場合、人のために自分の存在が役立っているという実感、これに勝るものはないのです。1000億円儲けようが、1兆円儲けようが、たぶん、この実感には負けるんです。(中略)我々はキャリアの節目、たとえば、定年がきたとき、職業人としての人生を振り返って、いったい何人の部下の人生をポジティブな方へ振ることができたか問われるわけです。そんなことはどうでもいいという人もいるでしょうが、もしそうだとしたら、それはすごくもったいないことをしていることになります。なぜなら、人間として生きていて、実は自分がそこから得られることのほうがはるかに大きいのですから。(p.173) 経営の世界では、「株主第一」とか「顧客第一」というスローガンをよく目にしますが、例えば利益といった経営の数値目標に対してであっても、数多くある変数のうち最も影響度が高いのは「従業員満足度」のような気がしています。いくら会社でバリバリ働いていて高い評価を得ていても家庭が崩壊していたら長い目で見てきっと幸せにはなれないように、会社の業績を支えているのは現場で働く社員であり、それをリードする経営者だとすると、彼らがまず生き生きと充実した毎日を過ごせていない会社はいつか傾いていくのでは。そんなことを考えながら、今日から先、どんな仲間との出会いがあり、どんな仕事をして喜びを分かち合うチャンスがあるのかと思うと、景気の悪いニュースばかりな毎日ですがちょっと元気が出てきました。 経営に関心がある人だけでなく、特にこれから社会人としてキャリアを切り拓いていこうとしている20代のビジネスパーソンには「これからの時代の生き抜き方」を知るヒントとしてお勧めしたい一冊です。
by takekurakenya
| 2008-12-07 00:29
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